2022年度 コンテスト部門第1位 兵庫県 神戸市立葺合高等学校(公立)

発表テーマ  What can be done to increase accessibilityin compulsory education in Japan   発表資料


発表動画

担当 森下先生

~「高校生としての視点」を大事にできるようサポートしています~

「探究の集い」ご覧になった感想を教えてください

関西学院高等部の生徒の皆さんで運営・司会もされていた所が良かったです。コロナ禍ではあったけれど、対面で開催してくれた行動と決断がすごいと思いました。
また大学の先生達からあれだけ丁寧にフィードバックをいただける機会はないと思います。

指導の際に気をつけていたポイントを教えてください

高校で探究学習をする良さとして、「高校生として何ができるか」を考える点にあると思います。また、研究ではリサーチクエスチョンをいかに立てるかが大切になります。生徒が使う言葉に一つひとつフォーカスしながら、広いテーマの中からより具体的な言葉にできるよう声をかけていました。

探究学習を通して、 どのような生徒に育ってほしいですか

NEO MAKS

本校のミッションはグローバルリーダーを育成することなのですが、その資質としてNEO MAKSという指標があります。
その12の要素の中でも、
・物事を多面的に見る姿勢
・経験と知識を融合させる能力
・コミュニケーション力
・ICTを主体的に使う能力
を、国際科の二年生の生徒に身に付けて欲しい力として定義しています。
課題を研究する活動を通して、生徒がそのような人材に育ってほしいと思って指導しています。

発表者︓植田清花さん

~積極的に行動し、“自分はどう考えるか” という視点が大切~

自分事として捉えて、 自分の言葉で伝えるポイントを教えてください

英語での発表だったので、まず英語で表現することが難しかった点もありますが、自分の研究の目的に 「インクルーシブ教育でもっと生徒のポジティブな心構えを伸ばしたい」 というものがあったので、核となる部分を意識して強調するよう工夫していました。また普段から関連するニュースを見た時に、自分はそのニュースに対してどう思うか︖と考えながら情報収集していたことが、自分の言葉で伝えることに繋がりました。

評価されたポイントの中で、特に頑張ったことを教えてください

「研究の焦点化」 です。
大きいテーマからどの問題に着目して絞るかに一番悩んだので、諦めずにやり切れたのが良かったです。最初は問題を大きく捉えすぎていましたが、大量のデータから自分の軸に沿った内容を取り出す時に、先生や友達・家族など、研究に関わっていない人に自分の言葉で伝え直すことを通して整理できたことが、テーマを設定するときにも役立ちました。

探究がうまくいった要因は何だったと思いますか︖

1年生の段階では、 手探りで 「とりあえず」 で全部挑戦してみました。
2年生になる春休みには講演会に2回参加して、講義をされた先生が私のやりたい研究にとても近かったため、勇気を出してアポイントをとりました。
夏休みにインタビューをして、研究の途中段階で見ていただき、フィードバックをもらいました。その他にも集まりに参加して、その場で声をかけて先生に見ていただいたり、人とつながって行動していくことで新しい視点をもらえるよう意識していたことが後々いきました。

自分の主張と異なる意見はどうしていましたか︖

反対意見も知識の中に入れておくことで、反論の時の材料になったので、質疑応答の時にも役に立ちました。

探究の集いに参加して得られたことを教えてください

達成感や自信につながりました。今までやってきたことが間違いじゃなかったんだなと思いましたし、途中で悩んだことがあったからこそ、賞をもらった時に嬉しかったです。
また、探究の集いでは「人とつながる」ということが私の中でキーポイントになっていました。
イベントを通して、普段関わることのない遠い学校の発表を聞けたことが大きな学びになりました。

2022年度 コンテスト部門第3位 福岡県 福岡雙葉高等学校(私立)

発表テーマ  過重労働による過労死のリスク ~学校の明るい未来のためにまずは先生方から~   発表資料


発表動画

担当 石井先生

~ 「生徒主体での社会へのアクション」「生徒との程よい距離感」 がポイント~

「探究の集い」 に参加されたきっかけを教えてください

本校の探究学習は、大学との連携、フィールドワーク、福岡県内での発表会など、外部との連携や機会に繋がることを大切にしています。
今回もその一貫として頑張ってきた2人に声をかけてみた所がきっかけとなりました。

.「探究の集い」に参加した感想や収穫はありましたか︖

多くの学校や生徒が集まる場だったので、 刺激になったと思います。
特に事前の資料作り~発表練習まで時間をかけて生徒達が頑張っており、当日も自信を持って発表する姿を見てとても成長を感じました。
この会全体で良いなと思ったのが、「大学教授からの厳しい指摘」でした。
今回参加したコンテスト部門は各部屋に 2,3 人の大学教授の皆様が審査員に入り、約5分間の質疑応答の時間がありました。
その質問内容が鋭く、褒めるような内容だけでなく、厳しい指摘や深掘りするものも含まれていました。
教員では指摘できない観点も多かったですし、 生徒からするとそのやり取り自体に価値があったと思います。

探究学習の指導で意識している点があれば教えてください

生徒発信資料より抜粋

できるだけ生徒が自分達でアクションしていくことを大切にしています。
外部連携や調査・インタビューなど、生徒達がやりたいと言ってきたものはできるだけ後押ししています。外に出ることで気づきも生まれ、その過程で得られる学びは学校の中では味わえないですし、生徒達の当事者意識を生んでいるように思えます。
そういった活動を後押しするためには教員が入りすぎず、 でも任せきりにならない、「程よい距離感」 で生徒を支えることが教員に求められているように思えます。

発表者:生徒一同
~「自分達でアクションすること・活動内容を言語化することが大切」~

探究学習を振り返って、意識したポイントを教えてください

私達は、教員の新しい働き方として「Power Nap」という提案を考え検証しました。大切にしたことは、まず行動・検証してみることです。
今回は、校内・他校の先生への実証実験など多くの検証を行いました。
実は失敗した実験もありましたが、そこから得た学びが次に繋がったり、探究のモチベーションにもなりました。思ったことや気になることに自分達でアクションすることが大切だと思いました。

他者と関わりながら探究を進める中でどんな学びがありましたか︖

生徒発信資料より抜粋

上記の実証実験以外に大学との連携も行いました。
大学教授のからは、自分達に足りない専門的なアドバイスと問いをもらいました。大学生からは言葉の定義を一緒に考えたり、探究を進める計画性も学べました。様々な視点からのフィードバックを通じて、自分達の研究を見直したり、第三者に研究を伝えるための視点が身に付いたと思います。また大学教授や大学生を見て、今まで興味のなかった医療の分野に興味を持てましたし、世の中を変えるってこういうことなんだ︕と、自分の将来にも繋がるきっかけにもなったように思えます。

「探究の集い」を振り返ってどうでしたか?

多くの高校生と話したり、他校の発表を聞くことがあまりなかったので新鮮でした。
特にプレゼン発表や問いの立て方など自分達にはなかったアイディアを見ることができて、刺激をもらえました。自分達の発表は、何度も準備してきた分手ごたえはありました。
ただ大学教授の先生方の指摘は、今迄にない観点の質問が多くすごく頭を使いました。

質疑応答でも自分達の言葉で話せていましたが、 ポイントはありましたか︖

研究を自分の言葉で言語化することが大切だと思いました。
この研究会に向けた事前審査のエントリーシートを作成するときに2人で今までの活動を振り返りながらまとめました。日々の研究や気づきをまとめたり言語化することを通じて、自分達の研究について自信を持って話すことができたように感じます。