沿革/教育理念
不滅の「Mastery for service」
1889年(明治22年)に播かれた一粒の種
関西学院は、米国・南メソジスト監督教会から派遣された宣教師W.R.ランバス博士によって、1889年(明治22年)神戸・原田の森(現在の王子公園)に創立されました。
長い鎖国の時代を終え、近代国家を目指す日本に、キリスト教の精神を伝え、しっかりした国をつくるためには、日本の若者を育成する学校がどうしても必要であると考えた彼は、様々な困難を克服して関西学院を創立したのでした
元手もなく、キリスト教に対する偏見も根強い時代でしたが、多くの人々が祈りによって学院を支えました。
教師5名、学生19名で出発した学院は、120余年の歴史を積み重ね、現在では教職員約1,400名、学生、生徒数約28,000名を超える総合学園に発展しました。
1889年(明治22年)に播かれた一粒の種
関西学院のスクール・モットーは、第四代ベーツ院長が提唱した“Mastery for Service”です。
「私たちは努力して専門知識の修得と人間形成に努めなければならないが、それは単に自己の利益のためではなく、隣人への奉仕を目的としたものである」という意味で、「奉仕のための練達」と訳されています。
高等部においても、関西学院の十年一貫教育の中核を形成する学校として、建学の精神やスクール・モットー“Mastery for Service”の精神を学び、他者さらには広くの社会に貢献できる人間の育成を目指しています。
高等部は、伝統的にきわめて自由な学校であることを誇りにしてきました。高校生が自我を形成していく過程において、多様な個性や素質を伸ばすには、細かい規則をできるだけ少なくし、自由な環境を整えることが何より大切だと信じているからです。
しかし、個性を生かし自主性を育てる教育とは自由放任の教育ではありません。高等部が目指しているのは、キリスト教を通じ、自分の生活と行動を律するしっかりした基準を持って生きる「自由な」人間を育てることなのです。
関西学院の歩み ~本学院で学ぶことの意味~
創立者・ランバス博士博士が貫いた「真の世界市民として世界万民のために献身する」生き方は、第4代院長・ベーツにより、スクールモットー“Mastery for Service(奉仕のための練達)”として明文化。本学院が持つ強い国際色、自由・自治の精神、そして本学院で学ぶ意義の礎となりました。
偉大な先人たちから湧き出したその小さな泉はやがて大河となり、約130年の時を経て一大総合学園となった今も、揺らぐことない魂として、高等部の教職員・生徒たちの中にも流れ続けています。
キリスト教の精神を根源に持ちながら、「人間とは」「生きるとは」を問い続け、「真の自由」と高い人権意識を持つ人を育てる学び舎――それが、関西学院高等部です。